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   e2 手当ての実践: 講義と演習 2011年4月22日(金)

宮崎県立看護大学 講義用  


 ただ今、ご紹介いただいた、ゆっくり堂 鍼灸院の山口一誠です。

はじめに、今回の講義を計画されました、看護大学の先生に感謝をいたします。

そして、一年生の皆様と、ご縁が出来たことを、うれしく思っています。

 ゆっくり堂鍼灸院の紹介をします。   地図。  ゆっくり堂鍼灸院 と 漢方薬相談店の写真。


それでは早速、講義に入りたいと思いますが、予習として、当HPをご覧になった方、
挙手をお願いします。はい。(   )割りぐらいの方がご覧になったとう言う事ですね。
そして、質問メールも(   )通来ていましたので今日の授業に反映させます。

ところで、学生の皆様の中で、今まで一回でも、鍼灸の治療を受けた方いらっしゃいますか?
はい。(   )割りぐらいかな。

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  はじめに。

@ ゆっくり堂鍼灸院が、HPでの「初学者用経絡鍼灸教科書」を作った理由について。
 
 私が鍼灸師になって、この「経絡鍼灸教科書」を作った理由は、

初級者だからこそ、気づく疑問や理解しにくい文言を何とか分かりやすく解決する為に、

何よりも、わたくし自身が経絡鍼灸の理論と実技を理解する為に、

図や表を多用して目で見て簡単に理解できる物を現したかったからです。

また 、
私の鍼灸施術を受けられた方に、経絡鍼灸の理論と実践の意味を理解してもらいたい為です。

そし て、
病人様の病状改善とその後の健康管理に役立つ為の物になればと言う思いから作りました。

ぜひ 、
看護医療の現場に立たれる皆さまにも、東洋医学の経絡治療について理解が得られ、

患者様の苦痛 の改善に役立つ、お話になる事を望んでいます。


A ゆっくり堂・鍼灸院の治療方針は経絡鍼灸の脉診を重視する、鍼灸術です。

看護医療の現場に立たれる皆さまも、患者様の脈を診る事になります。

そんな時、経絡鍼灸の脈診方法を体得されるなら、

患者の病気の改善にきっと役立つことが多くなると思います。

経絡鍼灸の施術 においての治療の目的は、

鍼灸施術において、患者様の生命力の強化を促し、

自然治癒力を湧き上が らせ、 体質改善を主眼とする総合治療です。

経絡鍼灸ではその患者の脈を診ることを重視します。

そして、望聞問切と言う「四診」法により、

東洋医学の独特の診断法によって すべての症状を統一診断し、

「証」(あかし)という治療方針を立てて総合治療を行います。

つまり、経絡鍼灸には外科も内科も眼科もなく、

全の科を網羅して、まるごとの人間治療をほどこす鍼灸治療になります。


B 今日の授業の時間配分は講義45分と演習45分でやりたいと思います。

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2011年4月22日(金)16:20〜17:50


人間研究演習T−(2) 
                
目的:「自然治癒力を引き出す方法」について学び、

     健康自主管理に役立つ技術の演習を行う。
                                             

学習内容:「健康状態の観察法とケア(脉を整え体調を整える方法)」

    講師:山口一誠     
                  
今時の目標

現代経絡鍼灸の「四診」法(観察法)を大まかに理解し、

自己の健康管理として、脈診と腹診を行い、自己の体調を整える手技を獲得する。


1、中国古典医学と現代の経絡鍼灸について

(HPを参照:a101 経絡鍼灸とは。絵で見る古典医学書の歴史と現代鍼灸の到達点。

イ: 黄帝内経:素問・ 黄帝内経:霊枢 ( 鍼の種類 )

ロ: 難経の研究   著者:本間祥白  校閲:井上恵理

ハ: 経絡治療講話  著者:本間祥白 

ニ: わかりやすい経絡治療 著者:福島弘道  東洋はり医学会発行

ホ: 月関誌「経絡鍼療」 東洋はり医学会発行

へ: 「 経絡鍼療 総索引集 創刊号より400号― 」東洋はり医学会発行


2、経絡について。

  経絡(けいらく)は人体の中の気血の通り道として考え出されました。

  参照図書:『 ナースが視る人体 』 P38 を開いて下さい。

イ) 十二経絡の流注図の説明

参考ー  肺金経の変動、  脾土経の変動、 心火経の変動、   腎水経の変動、  肝木経の変動
   
   青色が皮膚表面の気の流れを現しています。

   これを「流注」と呼びます。

  赤色は身体の中の「流注」です。

  臓器に関係しています。


ロ) 気のお話。 

   わかりやすい例では、空気、春夏秋冬の気候、が身体に作用しています。

   今年の4月は寒い日や暑い日が交互に来て、体調を悪くする人もいました。

   そして、宮崎では、
   霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)は今でも活動を継続中で噴火がやみません。
   風下では降灰の被害が出ています。

   そして、3 月 11 日の東日本大震災にともなう

   福島第一原発からは今も放射能が洩れ続けています。

   この、事故の被爆被害は世紀をこえて、人類に影響をあたえると思われます。

   古典医学では、これら、風・寒・暑・湿・燥・火の六種類の外からの邪気を受けて、

   病気になると考えました。

   人間は気の影響を受けているのだなと考えて下さい。


ハ) 手当てについて。

   病人さんが苦しんでいる時、優しく、背中をさすったり、しますね。

   古代社会でも、子供が病気になれば母親が痛いところに手を当てて、

   安心させたのだと思います。

   看護の現場に立たれる皆様は脈を診ることも出来ますから、

   病気を治す「リセットボタン」「治療穴」にそっと指をあて、

   病人の苦痛を和らげることが出来るようになります。

   経絡鍼灸では、

   気の流れを良くすることで血行が良くなり,病気の改善が成されると考えます。

   鍼灸術は長い歴史の中で、病気を治す穴(ツボ)見つけ出し、治療に役立てています。 

   また、 穴と穴をむすぶ人体を走行する十二経絡の気のルートを経験の中から導き出し、

   さらに高度な治療体系を構築しています。

   病気を治し、元気にするツボ(治療穴)の運用は、

   病気になった時、病気を治す「リセットボタン」が「治療穴」と考えても良いですね。


  ※ 今日の演習の中で脉を整える手技(指技)を教えます。
 

ニ) 経絡鍼灸のポイント 「本治法」 と 「標治法」 ・・・

 「本治法」と「標治法」の二つの手技を施術することで、

 治療効果を高める点に特徴があります。

 本治法は、病気の根本原因を改善する為の「自然治癒力」を増強させる施術手技です。

 標治法は、患者の病状を直接に緩和させる手技です。



3、「四診」(ししん)について。   初学者用 経絡鍼灸教科書(トップページ)参照。


  「四診」とは、東洋医学の主体となる診断法です。


  1)「望診」とは、身体を見ることで診断する方法です。 

            顔面診・ 尺部診・ 舌診(ぜっしん)などがあります。

  2)「聞診」とは、声の調子や、呼吸音、体臭や口臭などの臭いを嗅ぐことで、
             診断する方法です。

  3)「問診」とは、現代医学の問診と陰陽虚実 五行論、に基づき様々な病状を問うことです。

  4)「切診」とは、 「切」(きると書いて「せつ」と呼びます) 「切」とは触れることです。

     身体の特定の部位に触れることで診断を行います。

     腹診:肝心脾肺腎を診ます。臍型も診ます。

     切経診:十二経絡の流注を診ます。 

     脈診:脈状診(六祖脉)と比較脉診の2つを診ます。

     検脈:手技の成否の確認と患者の治療軽重を診ます。

     
4、腹診について。 (HPのb204 腹診を参照)


5、脈診について (HPの (脉診 参考コーナーを参照

    参照図書:『ナースが視る人体』橈骨動脈 P26・橈側手根屈筋 P18を参照。

  1)脈診の方法。その1: 仰臥位.

    @ 患者役を診台上に仰臥位(仰向け)させ、心身を平静に保たせ、
       両足を自然に伸ばした状態で脈診を受けてもらいます。   
    A 診察者は患者の左側に位置します。
    B 診察の手順、患者の手首はやや反り加減にして患者の腹部上に軽く置きます。

  2)脈診の方法。その2 : 座位.

    @ 座位では、診察者は患者と向かい合わせになり脈診を受けてもらいます。
    A 手掌(手の平)を上に向け、手関節(手首)を自然に伸ばした状態で、
      脈診部位が心臓と同じ高さになるようにします。

  3)脈診の指の当て方。

     手関節橈骨茎上突起の内側に中指をあて、橈骨動脈の流れを指腹に感じて診ます。
     その両側に示指と薬指を添えて脈を診ます。

   ※ 脈診の具体的方法。 (図ghm)にあります、橈側手根屈筋腱(けん)スジですね。
  ここに、指の先を当てると、指の腹、指腹に動脈の拍動を感じます。
  そつと、ゆっくりと、やさしく、指を下げると(これを業界用語では沈めると言います)
  ここが、五臓の脉位です。肝心脾肺腎の脈所(脈を診る位置)になります。
  そして、この位置が、陰経の脈になります。臓器の脈です。

  また、臓腑の脈は指を上げて(浮かして)診ることが出来ます。これを陽経の脉位と言います。
  臓腑の脈とは、胆のう、小腸、胃、大腸、膀胱の脈を診ることができます。
  つまり、ここで、五臓六腑の状態が、身体の病状、心の状態、精神状態もすべて把握できます。


  4) 3Dで脈を感じる。・・・


  5) 脉診図表の書き方。 

脉診図表の書き込み方法。

  T、脉診は初めに脉状診を行います。

「脉状診」の目的は、手法(鍼の刺入方法)を定める事にあります。

脉状診(六祖脉)は三分類2パタンの浮沈・遅数・虚実の6つの脉を判断します。
      
           整っていれば「中」を記入します。 
 
脉状診(六祖脉)の書き込み表に該当する脉状の一つを記入します。


  U、次に比較脉診を行います。

比較脉診は別名を六部定位診(ろくぶじょういしん)とも言います。

脉部の片方を三部、左右で六部、これを陰陽にわけて診ますから十二箇所になります。

(脉位、臓腑経絡、配当図)を参照。

ここに十二経絡が一経づつ配当されています。

比較脉診の順番。

比較脉診のルールその1.陰脉(臓)の脉状の「虚・実」を比較をします。

比較脉診のルールその2.陰脉(臓)と陽脉(腑)の脉状の「虚・実」の比較をします。

  比較脉診の図表に脉状の虚・実または、(1〜5の数字)を記入します。

  ○の中には脈の断面図を記入します。



    ※ 脉状の虚・実または、(1〜5の数字)の意味について。

      1: 最も虚。  2: 虚。 3: 中位(正常脉) 4: やや実。  5: 実。

      陰脉の肝、心、脾、肺、腎、命門(心包)の枠に数字を記入する。
    
      陽脉の胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦の枠に数字を記入する。

    ※ ○の中: 脈の断面図の例。





  6) 人迎脈と橈骨動脈の自己練習。(HPの (脉診 参考コーナーを参照


6、 経絡鍼灸の診断理論コーナー。

    病因論・ 
    
    陰陽虚実 ・ 

     五行論

    陰陽五行論

    病証の経絡弁別

    五行の色体表、五兪穴図、五要穴図

    経絡の変動

    肝木経の変動

    心火経の変動

    脾土経の変動

    肺金経の変動

    腎水経の変動

    変動まとめ五大病症 



7、  演習: 

   (イ)脉診の実演。

   (ロ)腹診の実演。

   (ハ)脉を整える手技(指技)実演。      参照図書:『 ナースが視る人体 』P40-

 指の補瀉 (私案、試行中)

補法:

   @虚の部位に指腹をそっと置き目的の部位(深さ)で右への回旋術。

   A正実(生気)を得たならば、その部の気を漏らさないよう一時留め、

   B蓋をつくり指腹をスット離す。


瀉法:

   @目的の部位(深さ)で左への回旋術。 

   A邪実を従えたならば、

   B指はゆっくりと引き上げ指腹に邪実を従え体外に引っ張り出し解き放つ。

  又は、

   C経に逆らって「経」を切る手技、

   Dあるいは経に逆らって動かす様な瀉法を行う。

    何れも陰的にゆっくりと動かす。


 ※ 注意 :

  @ 補法も瀉法も一穴ごとに、検脉する。

  A 目的を達したと感じたら、そこで手技を止める。
  
  B 脉が綺麗に整わない時も少しの改善があれば良い、何度も同じ穴に手技をしない事。


− 参考文章 1、−

【 「虚的な内傷」により病を生じた患者には陰的な手法により陰陽の調和が図れ】
〔そこで、この様な患者への〕治療は「陰的」に行い、陰陽の調和を図る事になる。
補法は細い鍼でゆっくりと穴(ツボ)に接し直ちに抜く。
瀉法は鍼を刺さず、経に逆らってザン鍼・円鍼・テイ鍼等で経を切る手技、あるいは経に逆らって動かす様な瀉 法を行う。何れも陰的にゆっくりと動かす。
これによって患者の陽的な気の動きと、術者の陰的な手法により陰陽の調和が図れ、気の調整がより速やかに出来る。

【 「実的な内傷」より生じた病の症状の経絡手法は、ゆっくりと長めの方が効果的。】
これに対し「実的な内傷」より生じた病、例えば注意欠陥多動性症候群の様に、学校の授業中に教室の中を歩き回ったり、百貨店やスーパーの中を走り回ったり、急に大声を上げたりする者に対しての治療は
ゆっくりと長めの方が効果的である。
 
【 虚的七情に傷つきやすい人の症状。】
 「虚的な内傷」により病を生じた患者の中には、気の動きが早く乱れ易い人がいる。
つまり気の動きが「陽的」で、僅かな環境の変化によっても気の動きが乱れてしまう。

− 参考文章 2、−

 ※ 柳下登志夫先生 会長特別講演‐ 収録:2009年9月6日 

「経絡治療の基本を活用する」(上)経絡鍼療(第484号)平成23年2月 掲載

【これは柳下先生が1日100名の患者を施術した古典の検証から導き出された現代実践理論である。】

【手技: 瀉法の原則: 垂直の手技:おす、止める、】       ―(第484号)―p56上段

―瀉法の総論―おす、止める、おす、止める、おす、止める、下圧をかける、鍼をゆっくり抜く。これが瀉
法の原則だ。という事で、例えば天柱・風池それから大椎穴その辺りのコリや実にたいしてもこれをやると相当の効果が上がる。相当の効果が上がるという事は間違えると相当の誤治反応が出る、という事ですから気をつけてやります。―とにかくそれが瀉法の基本として本治法にも標治法にも特に表面まで実しているような病症にに対しては非常に効果的だ、という事になります。―おす、止める、は垂直に行った手技ですけれども、これを水平に行えば回旋という事になります。―

―(第484号)―p61下段
【 刺鍼法:】【 刺鍼法:右回旋は補法になる。左回旋は瀉法になる。】 
 【鍼を寝かせての左右の回旋:示指、中指、親指の指腹でも補瀉ができる。】 
―身体の大部分の所で右へ回すと補になる、という事がほぼ当たっていると私は思う。
接触鍼、鍼の角度45度、刺入3ミリ、での回旋補瀉、あるいは人指し指とか中指、親指の指腹で経穴を押
さえて、その間に鍼を寝かせての左右の回旋でもちゃんと補瀉といいう事が言えるぐらいに脉も変化するし、それからその場所も変化が起こる。 みなさんが追試してみると良いです。

【 刺鍼法:指腹の左右回旋術と脉状の変化。】
 軽く鍼を押さえながらゆっくりと右へ回す。そうすると脉は締まります。
左に鍼を捻ると、脉が浮くとか中には脉が硬くなるとか人により色々でます。
特に表面に邪がある時にこの瀉法(左回旋)をすると上手く行きます。 
補法の時には少し押す力は強めに、瀉法の時には軽めにすると上手く行きます。

【補法の原則:】
補法の原則というのは、鍼先が自由に動かない時、この時には脉は沈んで締まります。 鍼先が自由に動くようになったならばそれは瀉法になるんです。 例としては補法の時には、鍼を抜く時に左右圧をかけますね。左右圧をかけると鍼は動きが悪くなる。動きが悪くなった時、それが補法の目的を達した時なんです。
 ですから鍼を刺しても鍼が最初の内はなかなか入らない。だけれども鍼を2ミリ、3ミリ、5ミリ、7〜
8ミリ、1センチと刺していくと今まで刺しにくかった鍼がスーッと入る場所に来る。スーッと入る場所に
来た時はそれはもう補ではない。 それは瀉に近くなっている。 鍼を刺していって、補法をやる時には、
鍼先が動かないうちに抜かなければ補法になら無い。


 −以上参考文章− 


::::::::::::::::::::::::::::::::

 本治法における証決定と治療穴


本治法とは、病気の根本原因を改善する為の施術手技です。

本治法の方法は、十二経絡の「気」を調整し、「血」の流れを順行させ、

全身の健康状態を改善することで、病気を治す「自然治癒力」を増強させる手技です。

本治法として使用する経穴は、五行穴、五兪穴・五要穴・原穴・ゲキ穴・絡穴です。

本治法の実技方法は、脉状に適合した「補法、瀉法」を行います。

そして、「良い脉」に導きます。

「良い脉」とは、平位の脉状で、艶と程よい締まりの有るのびやかな脉です。

 ※ 「良い脉」とは、陰と陽が調和した脉状のことです。


d1 証決定と治療穴

経絡治療の証決定の特徴は「診断即治療」にあります。

証決定(診断)が決まれば、治療方針と治療の経穴(ツボ)が自動的に選定される仕組みになっています。
これが、「診断即治療」の所以です。

証決定の基本理論について。

陰陽虚実論・陰陽五行論・病因論・「難経六十九難」の治療法則によって考察されています。

証決定の種類は、

単独証の、肝虚証・肝和法・脾虚証・肺虚証・腎虚証・ 
      
相剋証の、肝虚脾実証・脾虚肝実証・脾虚腎実証・肺虚肝実証・腎虚脾実証・腎虚心旺気実証・
腎虚心実証・腎虚脾和法証

相剋調整の、脾虚肝虚証・脾虚腎虚証・肺虚肝虚証・腎虚脾虚証・

などがあります。

証決定の種類例表 gd11



 難経六十九難 と 補法・瀉法


@ 難経六十九難について。


「難経」(なんぎょう)は、
中国の東晋(とうしん)時代(317年 - 420年)に編纂された、
黄帝内経のダイジェスト版「81の問答集」です。

この中で69番に記載されている内容が経絡鍼灸の「本治法」の治療原則で最も重要なものになります。


六十九難の治療原則の要点を箇条書にします。

@ 虚する時はその母を補う。(法則1)

A 実する時はその子を瀉す。(法則2)

B 補法と瀉法を共に用いる場合は、
  まず補法を先にして正気を補い、後に瀉法を行う。「補法優先の原則」(法則3)

C その一経絡のみが病んでいて、他の経絡に関係しない時は、
  相生(母子)関係や相剋関係を考えることなく、その経絡のみに補瀉を行う。
  「正経自病の原則」(法則4)

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  今日の演習は単独証を行います。(基本偏)

   陰経の脈の整え方。

@ 虚する時はその母を補う。(法則1)

 証と使用するツボの位置(図)

参考:五行の色体(表・図) コーナー
gc81 陰経 五兪穴・五要穴 図


肝虚証:曲泉穴・陰谷穴

脾虚証:太白穴・大陵穴

肺虚証:太淵穴・太白穴

腎虚証:復溜穴・尺沢穴 




A 陰経の脈が整ったら、陽経の脈を整える。

主に五要穴陽経の「絡穴」によって整えられる。


参照:五行の色体(表・図) コーナー

図:gc64 五兪穴・五要穴を参照のこと。



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  肝虚証を治すツボ(穴)



曲泉穴 : 足の厥陰肝経 ・ 合水母穴。
     部 位: 膝関節内側、膝窩紋頭に触れている太い筋の前縁にあり。
      取り方: 膝を60度ぐらい曲げ、太い筋と骨との間に取る。

陰谷穴 : 足の少陰腎経 ・ 合水自穴。
      部 位: 膝窩紋上のハッキリとした腱の曲泉穴側にあり。
      取り方:

ーーーーーーーーーーーーーーー


  脾虚証を治すツボ(穴)



太白穴 : 足の太陰脾経 ・  兪土原穴。
      部 位: 第一中足骨頭の後方の陥凹部、赤白肉の間にあり。
      取り方:      


大陵穴 : 手の厥陰心包経 ・ 兪土原穴。
      部 位: 手関節の掌面紋上、長掌筋腱の尺側縁にあり。
      取り方:

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  肺虚証を治すツボ(穴)



要穴の所属・性格及び、部位と取穴の方法。

太淵穴 : 手の太陰肺経 ・ 兪土原穴。
      部 位: 経渠穴の下6分、長母指外転筋腱の内縁にあり。の
      取り方: 手関節掌面において、手根骨の肘よりの紋上(骨にはのらない)で、
            長母指外転筋腱の内縁に取る。 

太白穴 : 足の太陰脾経 ・ 兪土原穴。
      部 位: 第一中足骨頭の後方の陥凹部、赤白肉の間にあり。
      取り方:      



  六十九難の治療原則の要点。

@ 虚する時はその母を補う。(法則1)




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  腎虚証を治すツボ(穴)



復溜穴 : 足の少陰腎経 ・ 経金母穴。
      部 位: 太谿穴の上方2寸(3本指分)、アキレス腱の前縁にあり。
      取り方:


尺沢穴 : 手の太陰肺経 ・ 合水子穴。 
      部 位: 肘窩紋のほぼ中央、上腕二頭筋腱の上にあり。 
      取り方: 肘関節を45度程度曲げ、上腕二頭筋腱に沿って尺部に向かって指を滑らせ、
          腱が尺部に入りこんで行く上を示指で押さえ、そのまま肘を伸ばした所に取る。


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     ※ 注意 : 心虚証の手技は絶対に行わない事。

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 ※ 陰経の処置から陽経の処置に移る手順について


 1、陰経の処置(補瀉)行う。

 2、確認の検脉 : 陰経(下面)の脉が、のびやかに整うのを診る。

 3、そのまま、指を浮かせ(上げ)て陽経(上面)の脉を検脉する。

 4、陽経の脉位に、虚・実が診れる。

    本治法における、陰経の処置(補法・瀉法)が正しく行われると、

    陽経の脉状に邪実の脉状が浮き上げられます。

 5、そして、陽経の脈の整え方に移ります。


   陽経の脈の整え方。

陰経の脈が整ったら、陽経の脈を整える。

 1、主に五要穴陽経の「絡穴」によって整えられる。

 2、六十九難の治療原則の要点から、

  (法則3)「補法優先の原則」を適用する。

  ※  補法と瀉法を共に用いる場合は、

     まず補法を先にして正気を補い、後に瀉法を行う。


 使用するのは陽経の「絡穴」について。

「絡穴」の性格:
  
    これは、本経より絡脈が別れる所といわれている。
    原穴と共にその経の代表点のような性格を持つ穴で、
    虚実ともに反応が著明であり効果も顕著である。
     急性劇症には「ゲキ穴」を使うのに対し、慢性症には多くこの絡穴が使われる。
    また、子午治療、奇経治療等にもその要穴としてよく応用される穴である。


    −参考− 脈の整え方 A 。( 鍼を使用する場合の手技について。)

速手刺しの脉とその手技 e208・ 和法の脉 とその手技 e209 ・ 浮実の脉 とその手技 e210
弦実の脉とその手技 e211・ 塵の脉とその手技 e212・  枯(コ)の脉とその手技 e213
堅(ケン)の脉とその手技 e214・  弾の脉とその手技 e215



〔 胆の脉を整える穴(ツボ):: 光明穴の位置 (写真図) ge36 〕 



光明穴 : 足の少陽胆経・絡穴。
     部 位: 外果上際より上方5寸、腓骨外側面上にあり。
     取り方: 外果上際より、腓骨外側面上を押し上げていき約5寸の骨面で腓骨筋の上に取る。

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〔 小腸の脉を整える穴 : 支正穴の位置 (写真図) ge37 〕 



支正穴 : 手の太陽小腸経・絡穴。
     部 位: 尺骨頭下端より肘頭に向かって5寸、尺骨と尺側手根伸筋の間にあり。
     取り方: 小頭より肘頭に向かうほぼ2/5の所に取る。

---------------

〔 胃の脉を整える穴 : 豊隆穴の位置 (写真図) ge38 〕



豊隆穴 : 足の陽明胃経・絡穴。
     部 位: 外果の上8寸、条口穴の外1寸にあり。
     取り方: 下腿前外側のほぼ中央、・・・

--------------

〔 大腸の脉を整える穴 : 遍歴穴の位置 (写真図) ge39 〕



遍歴穴 : 手の陽明大腸・絡穴。
     部 位: 陽溪穴より曲池穴に向かう3寸にあり。
     取り方: 陽溪穴より3寸位の所を探ると橈骨の上に2本の筋肉が触れる。
          その上方のものが長母指外転筋で、この筋の上に取る。

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〔 膀胱の脉を整える穴 : 飛陽穴の位置 (写真図) ge40 〕



飛陽穴 : 足の太陽膀胱経・絡穴。
     部 位: 外果の上7寸、腓腹筋の外縁にあり。
     取り方: アキレス腱の外側縁に沿って押し上げていくと、
          7寸の所で、腓腹筋の側頭に突きあたるここに取る。

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〔 三焦の脉を整える穴 : 外関穴の位置 (写真図) ge41 〕



外関穴 : 手の少陽三焦経・絡穴。
     部 位: 陽池穴上方2寸にあり。
     取り方: この穴は心包経の内関穴と表裏をなしている。
          陽池穴の上方2寸位の所で下橈尺関節の上縁、指伸筋腱の尺側の陥凹部に取る。 


  ※ 陰経の脉が整い、陽経の脉も整う事で、十二経絡(五臓六腑)の気血が良くなり、

    生命力の強化がなされ、自然治癒力が向上します。
 
    これが、本治法の経絡治療の真髄です。 

  ※ そして、陰脉と陽脉が調和した脉状を「良い脉」と言います。

    それは、平位の脉状で、艶と程よい締まりの有るのびやかな脉です。

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   (ニ)各班ごとにモデル患者の脉診と手技での改善の実演



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 ※ 最後に、手技はあくまでも「自己の体調を整える」自己治療の範疇にて行う。

         または患者さんの「看護ケア」にとどめる。
     
         それ以上の病体の患者には、経絡鍼灸師への施術を依頼すること。



  ※ ご意見、疑問、、質問等があれば、メールをください。

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鍼灸師の山口です。

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ゆっくり堂 鍼灸院・ 鍼灸師:山口一誠


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鍼灸師 山口一誠

やまちゃんのプロフィール

1952年12月生まれ、
腰の病気に罹患後、建設業から
薬業界に入る。
現在、薬種商と して、
ゆっくり堂 薬の山口を開業中
別室に、鍼灸師として
ゆっくり堂 鍼灸院を開業中

 メール yukkurido@ybb.ne.jp
 電話 0985-50-5174
 住所 宮崎市天満2-4-26
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